
知多メディアスネットワーク株式会社
将来的な管理権限委譲を見据え、稟議・ワークフローを初めてペーパーレス化
抱えていた問題点 | ・既存システムにはAPIが搭載されておらず、非効率な転記作業が発生していた ・稟議の通知は来るものの、Slack上で承認ができず、処理が停滞することがあった ・システム管理者権限を細分化できないため、ガバナンスに課題があった |
導入の理由 | ・API/webhook の豊富さ・柔軟さ ・Slack上でシームレスに承認できる点 ・複雑な承認経路を設定可能な点 |
植野:アジアクエスト株式会社はお客様のDX、デジタルトランスフォーメーションを支援するデジタルインテグレーターです。ITコンサルティングやシステム開発などを中心に事業を展開しています。広く様々なDX支援を行っていますが、特徴的なものとして「工場現場を3D空間にし可視化することで、現場に赴かなくても管理監督業務ができる」といったような複雑な要件のプロジェクトにも取り組んでいます。
私はアジアクエストの情報システム部に在籍しています。会社全体のシステムの在り方について思案する立場にいますね。私自身は2000年頃からWEB業界で働いています。フルスタックで様々な開発を行ってきました。アジアクエストには2016年に入社し、最初はデバイス開発やIoTの事業を担当していましたが、上場を見据えてIT統制を強化すべく情報システム担当になり、現在に至っています。
久保:私は情報システム部に所属し、システムの新規導入やリプレイス、導入後の運用を担当しています。バックオフィス系のSaaSやセキュリティ管理ツールの導入・調査はもちろん、社員からのITに関する問い合わせ対応(ヘルプデスク)も担っています。2020年の新卒入社で現在、4年目です。
植野:これまでアジアクエストのワークフローはエンゲージメントを高めるSaaSに付随していた申請機能を活用していました。上場を控えて整備をする際に「必要最低限の要求はこれで満たせそうだ」という選び方でした。上場審査などはこのシステムで通過しています。
しかし、後々、機能不足を起因とする問題が顕在化しました。REST APIやWebhookが無いために本来やりたい業務自動化ができなかったり、チャットツールのSlack上で通知は来るものの承認が漏れる・遅れる、といった課題がありました。管理権限の細分化ができないため、ちょっとした修正をするだけでも強い管理者権限をユーザーに付与しないといけないというガバナンスの問題も抱えていました。
アジアクエストは「お客様のビジネスをDXする」と掲げているからこそ、この状況は好ましくありません。社員が自分たちの社内業務を効率化できないままでは、お客様に対してアジアクエストの価値をきちんと提供できない、という危機感がありました。
久保:コーポレートエンジニアや情報システムに興味がある方が集まるSlackのコミュニティ『情シスSlack』で話題になっていたのを見て知りました。ワークフローシステム検討プロジェクトに私がアサインされることになり、「kickflowはどうですか?」と提案しました。
植野:3つの製品と比較検討をしましたが、「APIが開放されていてシステム連携がし易いこと」「コミュニケーションで使っているSlackと連携できること」「承認経路が柔軟に設定できること」などが決め手になりました。
当然、コストも重要です。ただ、「安さ」を追い求めるあまりに、本来やりたかったシステムの連携などができないのは本末転倒であると考えていました。正直、kickflowより安価な製品も比較していましたが、価格ありきでは導入しないことを決めていました。加えて、各サービスの導入事例、活用例もチェックし、アジアクエストのありたい姿、ケースにマッチしたkickflowを選定しました。
久保:費用対効果を経営層に説明する際には工夫をしました。「データ連携をして、この業務を自動化したらこういう効果が想定される」「この業務をこれだけ削減できるので、総合的に視るとROIが高いのはkickflowだ」などと整理して説明しました。
また、運用については管理本部長とやり取りし、決めていきましたね。管理本部長からは「kickflowではこういうことはできる?」など相談を貰うこともありましたし、情報システム部門から管理部に対して改善の提案も行いました。
植野:管理する立場からすると、未来の組織図を事前に予約できるのは非常に有り難いです。以前は大規模な組織時には早朝対応していました。アジアクエストは12月決算なので、大規模な組織変更があるのが新年の1月1日。例年、正月三が日対応していた手間が、kickflowではなくなります。またkickflowには「作業中モード」という、一般ユーザーの利用をブロックするメンテナンス専用機能があるので、これも助かっています。
久保:承認をする現場メンバーからは「Slack上で承認ができるのはとてもありがたい」という声をもらっています。
kickflowを導入したことで、任意のタイミングで閲覧者を追加したり、承認者を途中で追加したりと、柔軟なコントロールが出来るようになりました。結果として、ワークフローの透明性が上がったと思います。
植野:「代理承認」の機能も有り難いですね。「この人が休んでいると承認が進まない……」というときに統制の正当性を保ちながらも、期限内に代理承認が可能になります。例えば、育休産休時に、期間を定めて代理権限を付与できるのも便利です。権限の剥奪忘れがなくていいですね。
久保:Backlogというプロジェクト管理SaaSとの連携を開発中です。他にもシステム部が行っている各種アカウント発行依頼〜アカウント作成の自動化や、Google Workspaceの共有ドライブ作成の自動化、AWSの環境自動作成やアカウントの棚卸しなどの自動化も将来的に実現したいと思っています。
植野:契約書の法務レビューが申請されたら、法務担当と申請者がコミュニケーションするためのSlackチャネルをAPIを使って自動で作る、といったことなども構想しています。また新規取引先申請時にNDA申請や与信申請なども自動申請されると..より自動化が進みそうです。
弊社では多くのプロジェクトを実行しており、作業依頼などは毎日かなりの数があります。申請から承認のリードタイムはなるべく早く、できれば即日で行いたい。昼休み前に申請を出して昼ごはんを食べ終わった頃には、承認が終わっている世界を目指したいですね。
久保:システムのリプレースは機会が少なく、なかなか情報も集まりません。kickflowは丁寧に分からない点も教えてくださったので良かったですね。成功のポイントは「自社の業務と、導入する製品の両方を深く理解すること」に尽きると思います。私はコーポレート業務に深く携わったことがなかったのですが、普段一緒に仕事をしていない管理部の方々としっかりコミュニケーションを取ることで、業務理解を進めました。
植野:kickflowのようにワークフローに特化した専用製品は本気度が違いますね。様々な業務に対応したオールインワンの製品も世の中にはありますが、稟議・ワークフローのような複雑な領域では、専業のサービスが良いと思います。
社名 | アジアクエスト株式会社 |
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URL | https://www.asia-quest.jp/ |
業種 | IT・ソフトウェア |
従業員数 | 301〜500名 |
担当者 | 情報システム部 植野様・久保様 |
将来的な管理権限委譲を見据え、稟議・ワークフローを初めてペーパーレス化
変化の波を乗り越えるべく、稟議・ワークフロー改革を進めるモノづくり企業
承認まで「数日から数週間」かかっていたのが「数分から数時間」に改善。承認者だけでなく申請者の意識も変わった…!?