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ワークフローの承認が遅い。待ち時間は4つに分かれる

ワークフローの承認が遅い。待ち時間は4つに分かれる

こんにちは。シンプルなのに多機能で圧倒的に使いやすい、クラウドワークフロー「kickflow」のメディア運営チームです。

「ワークフローの承認が遅いと拠点は言う。でも管理画面では、その申請は8日で決裁されている」情シスや管理部門が、こうした食い違いの説明を求められる場面は少なくありません。現場とシステムは、同じ1件の申請を違う区間で見ているためです。

承認の遅さは、承認者が画面を開いて押すまでの日数で語られがちです。ただ、1件の待ち時間には、申請者が書いている時間や、差し戻しを受けて直している時間も入っています。

そこで今回は、1件の申請の待ち時間を分ける4つの区間と、区間ごとに手を打つときに決める部門を解説します。

この記事の要点

  • 現場は依頼を受けた日から、システムは申請ボタンが押された時刻から数えます。同じ1件でも、申請前の区間のぶんだけ日数が食い違います
  • システムの数字は、下書きの扱い、差し戻し後の起点、暦日か営業日かの3つの仕様でも動きます
  • 待ち時間は、書く時間、気づかれるまでの時間、判断の時間、直す時間に区切れます。書く時間と直す時間は、申請者の側にあります
  • ステップを外して縮める意味があるのは、判断に毎回時間がかかるステップです。出張などの不在で止まったステップは、外さなくても代理承認で縮められます
  • 区間ごとに手を決める部門が違い、情シスが受け持つのは設定の作業です

承認日数と現場の体感がずれる仕組み

システムの承認日数と現場の体感がずれるのは、両者が数えはじめる時点が違うためです。システムは申請ボタンが押された時刻から、現場は依頼を受けて書式を開いた日から数えています。

承認リードタイムとは、申請から決裁までに要した時間のことです。管理画面で集計できる製品もあり、集計の単位(承認者、期間、書式など)は製品ごとに違います。

例えば、従業員1,200名の製造業で出た、地方拠点用のタブレット12台の購入稟議。金額は96万円で、経路は課長、部長、管理本部長の3ステップです。

日付

起きたこと

8月28日(金)

拠点から依頼を受け、総務の担当者が書式を開く。見積が1社分しか揃わず、下書きのまま置く

9月2日(水)

見積が揃って申請。同じ日に課長が承認

9月3日(木)〜9月7日(月)

部長が出張。戻った月曜の朝に承認

9月7日(月)

管理本部長が同じ日に開く

9月8日(火)

台数の根拠が本文にないとして、管理本部長が差し戻す

9月9日(水)

担当者が拠点の人数と入れ替え予定を書き足して再申請。課長と部長が同じ日に承認し、管理本部長も同じ日に開く

9月10日(木)

管理本部長が決裁

システムの数字は、9月2日から9月10日までの8日です。拠点と総務が数えているのは、8月28日から9月10日までの13日。差の5日は、書式を開いてから申請ボタンを押すまでの時間で、承認者はまだ誰も登場していません。

同じ1件の申請でも、現場が数える13日とシステムが測る8日では数えはじめる時点が5日ずれることを示した図

システムの承認日数を動かす3つの仕様

システムの承認日数は、同じ申請でも3つの仕様で値が変わります。下書きの扱い、差し戻し後の起点、暦日か営業日かです。

1つ目は下書きの扱いです。申請の時刻を起点に集計する製品では、下書きのまま置いた日数は承認日数に入りません。

2つ目は差し戻し後の起点です。再申請のあとも最初の申請時刻を起点に残す製品と、再申請の時刻で起点を上書きする製品があります。

後者だと、通し例の申請は8日ではなく1日として集計されます。平均が短く出ている書式が本当に速いのか、差し戻しで起点が戻っているだけなのかは、数字だけでは見分けがつきません。

3つ目は暦日か営業日かです。通し例の13日のうち土日は4日あり、営業日で数えると9日になります。システムの8日も、営業日なら6日です。

どちらが正しいということはなく、経営に出す数字と現場の体感がずれる原因の1つです。

仕様

見分け方

起点は申請時刻か、下書きの作成時刻か

下書きのまま数日置いた1件を、管理画面の数字と突き合わせる

差し戻し後の再申請で起点が動くか

差し戻しを1回はさんだ1件を、日付と突き合わせる

暦日か営業日か

金曜申請、月曜決裁の1件が1日と出るか3日と出るか

集計の仕様書を探すより、この突き合わせのほうが早く済みます。

承認の待ち時間を分ける4つの区間

1件の承認の待ち時間は、書く時間、気づかれるまでの時間、判断の時間、直す時間の4つに区切れます。区切りの目印は、その時点で申請が誰の手元にあるかです。

相談の場で、承認が止まるという話に、リマインドを送る曜日と時刻の設定から答えたことがあります。

そこで、誰かのところで何日も止まっている申請だけを知らせてもらえないかと聞かれました。私の説明は知らせる時刻の話で、止まっている日数には触れていませんでした。

区間

始まりと終わり

誰の手元か

通し例での長さ

長くなる原因

書く時間

依頼を受けてから、申請ボタンを押すまで

申請者

5日(8/28〜9/2)

社外からの資料待ち、どの書式で出すかが分からない

気づかれるまでの時間

承認依頼が届いてから、承認者が画面を開くまで

承認者

5日(部長、9/2〜9/7)

出張や会議での不在、通知に埋もれる

判断の時間

画面を開いてから、承認か差し戻しかを決めるまで

承認者

2日(管理本部長、9/7〜9/8と9/9〜9/10)

判断に要る情報が申請画面にない

直す時間

差し戻しを受けてから、再申請するまで

申請者

1日(9/8〜9/9)

何を書き足せば通るかが、差し戻しのコメントから読めない

承認者の手元にあったのは13日のうち7日で、残りの6日は申請者の側で過ぎています。

書く時間には、見積を待つ時間や、前に書いた申請を探す時間が入ります。この金額なら稟議か購買申請かを選び直している時間も、同じ区間です。

気づかれるまでの時間と判断の時間は、承認者のステップの数だけ繰り返されます。差し戻しのあとに回り直すステップでも、もう一度数えます。

再申請のあとにどのステップから回り直すかは、製品と設定で分かれます。通し例では課長から回り直しましたが、3人とも再申請の当日に画面を開いたため、気づかれるまでの時間は増えていません。

直す時間の長さは、差し戻しの理由がどこまで具体的に伝わるかで変わります。

8月28日から9月10日までの13日を4つの区間で塗り分け、申請者の手元に6日、承認者の手元に7日あったことを示した図

経路のステップの数を減らしたときに短くなる区間

経路のステップの数を減らすと、気づかれるまでの時間と判断の時間が繰り返される回数が減ります。書く時間と直す時間の長さは、ステップの数では変わりません。

ステップを外して縮める意味があるのは、不在ではなく、毎回の判断に時間がかかっているステップです。

通し例で部長のステップにかかった5日は、出張による不在でした。出張のあいだ別の人が承認できるよう、代理承認を設定しておく手があります。

代理の承認者がその日のうちに開けば、ステップの数を変えなくても、部長のところで止まっていた5日はなくなります。

ステップを外すのは、出張がない月にも、96万円の購買を部長が見る機会をなくす判断です。決裁権限規程で部長の確認が求められているなら、外せません。

金額の条件で経路を分け、一定額未満だけステップの数を減らす組み方もあります。どこで区切るかは、規程を持つ部門が決めます。

経路を分けたあとに、人事異動のたびに経路の修正が積み上がる仕組みは、承認経路のメンテが終わらない理由で整理しています。ステップを外してよいかをその役割から見分ける考え方は、承認の形骸化はステップを減らす前に役割で見分けるで扱っています。

区間ごとに手を決める部門と代わりに増えるもの

4つの区間は、手を打つときに決める部門がそれぞれ違います。設定の作業は情シスが担いますが、何を設定するかを情シスだけで決められる区間はありません。

区間

効きやすい手

決める人

代わりに増えるもの

書く時間

書式を業務単位に分け、必要な添付を書式の説明文に書く

業務を持つ部門(通し例では総務)

書式の数と、どれで出すかを選ぶ手間

気づかれるまでの時間

代理承認を設定する。承認者が普段見るチャットを通知の届け先にする

代理を誰にするかは承認者の上長と規程を持つ部門、受け取る通知は承認者本人

代理の承認者が見る件数

判断の時間

承認者が見たい情報を、申請画面の必須項目として足す

承認者と業務を持つ部門

申請者の入力。書く時間が伸びる

直す時間

差し戻すときのコメントを必須にし、何をどこに書き足せば通るかを書いてもらう

何を書くかは承認者、必須にする設定は情シス

承認者が差し戻しに掛ける手間。チャットの通知のボタンから差し戻せず、画面を開き直す製品もある

どの区間を詰めても、表の右端にあるものが代わりに増えます。

通し例の担当者にとって、13日はひと続きでした。見積が揃わないまま週末をまたぎ、水曜に出せたと思ったら部長が出張。戻って押された翌日に台数の根拠を求められ、書き足して出し直し、決裁が下りたのは9月10日の木曜です。

担当者の側からは、どこで区間が切り替わったかは見えていません。

どの区間を今期の目標に置くかは、区間の長さを見たうえで、その区間の手を決める部門と話して決めます。

まとめ

承認が遅いという声と管理画面の数字が合わないときは、遅かった1件を日付で並べ、4つの区間のどれが長いかを見るところから始められます。いちばん長い区間が分かれば、次に話をする相手の部門も決まります。

承認が遅いという声を受けたときに、どこから見ていくかを決める手がかりになれば幸いです。

よくある質問

書く時間は、システムの記録からどこまで拾えますか

日時の項目に作成日時を自動で入れられる製品なら、拾えるのは書式を開いて下書きを保存した時点からです。

その項目と申請日時の差から、下書きから申請までの日数を書き出せます。依頼を受けてから書式を開くまでの日数は記録に残らないため、依頼のメールやチャットの日付で補います。

承認日数は、平均と中央値のどちらで見ますか

分布の形によって、向く数字が変わります。月末に集中する書式や、年に数件しか出ない書式では、極端に長い1件が平均を押し上げます。

中央値は外れ値の影響を受けにくい一方、止まっている数件が見えなくなります。申請ごとの日数を書き出せる製品なら、両方を出して、平均だけが大きく動いている書式を個別に見る使い方が現実的です。

何件の申請を4つの区間に割れば足りますか

件数より、どの申請を選ぶかで見え方が変わります。書式ごとに、長く掛かった申請と、日数が平均に近い申請を数件ずつ並べると、区間の偏りが見えやすくなります。

長かった申請だけを並べると、出張や繁忙期のような一度きりの事情を、書式の問題と取り違えることがあります。

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