連載「AI-WEBサイト移管[前後編]」第2回

[後編]7ヶ月手塩にかけたWebサイトを、AIが2週間でリプレイス

Biz-AX Journal編集部 人間が執筆約6分で読めます

kickflow Biz-AX Journal編集部です。

Webサイトリプレイスの裏側を赤裸々に公開した本記事ですが「後編」となります。

前編をまだ読んでいない方はぜひこちらからどうぞ↓

[前編]7ヶ月手塩にかけたWebサイトを、AIが2週間でリプレイス | kickflow Biz-AX Journal本サイトは、「株式会社kickflowのビジネス系AX(AI活用)を赤裸々に公開する」をミッションとしたブログです。ブログを立ち上げた背景は、以下の記事もぜひご覧ください。本記事で…kickflow.com

後半は、データ移行〜最終レビューからリリース、リリース時に「やってよかったな」というTipsをまとめます。

データ移行は人力...?絶望から希望へ

サイトが完成し、あとはデータの移行フェーズに入りました。これがまた、大変でした。

kickflowでは「機能アップデート」などのお知らせをサイト上で行っていました。

結構記事は多く(機能アップデートが多いので)記事の累計が、400記事ほどになっていました(多い...)。

※移管した記事はこちら:

お知らせ | kickflowクラウドワークフロー「kickflow」のお知らせ。新機能リリースや他社との連携・採用実績、展示会・セミナー出展、導入企業の発表など、kickflowに関する最新情報をお届けします。kickflow.com

当初はこれを「APIかcsvで引っ越せば良いかな〜」と気軽に構えていたのですが、調べて驚愕。

利用していたwebサイト作成プラットフォームには、このコンテンツデータ(CMS)を、csvで吐き出す機能も APIも MCPサーバ機能もなくいことが判明。

まさかまさかの「人力引越」の可能性が出てきて絶望したのを覚えています...

しかし、ものは試しでAIに「既存サイトがこれ(URL)なんだけど、内容を調べて新しいサイトのCMSに移管できるか」と相談した所、できます!との解答。

一つずつサイトコンテンツを読み込んでもらい、新しいCMSである microCMSのMCPサーバ機能を介して、なんとすべてAIがデータ移管をやってくれました🎉

microCMS(のMCPサーバ)さん、本当にありがとうございました涙

microCMSのMCPサーバーをリリースしました | microCMSブログAIツールから自然言語でmicroCMSのコンテンツ作成・更新が可能になるMCPサーバーをリリースしました。blog.microcms.io

AIが開発しても、最後にリスクを判断して対処するのは「人間」

サイトコンテンツの大筋が固まったので、実際にソースコードレビューを情シスに依頼しました。

情シスの方で、もちろんAIによるコードレビューもかけていただきました。

こちらのAIにめちゃくちゃレビューさせた(怖かったので)のですが、きっと大量の指摘が来るだろう...と思っていましたが、いわゆるコードレベルでの指摘はほとんどなく、数カ所程度でした。

逆に、非機能面ではいくつか指摘が入り、対応しました。

例えば、

  • 動的なサイト構成になっているので(microCMSと連携)その抜け穴を塞いだほうがいい(実装変更)
  • そもそもmicroCMSやソースコード管理のルールや運用(主にマーケティングチーム=サイト主管チーム)を固めておくように
  • 何かあったときの対応フローを固めるように

加えて、ソースコードを GitHub上で PRする際に、AIによるコードレビューが入るようなツールとの連携設定をしてもらったり、

AIによるリスク検知ツールを接続してもらう、アクセスの過集中でサーバ代金がドカン!ととんでもない料金にならないような設定...etcをしてもらいました。

この当たりは本当に開発チームや情シスに感謝です。やはり、AIだけで考慮できな異部分はたくさんありました。

「これって大丈夫ですかボイスの収集」

サイトリプレイスを進めるうえで「やってよかったな」という施策の一つに「大丈夫ですかボイスの収集」があります。

実際リリースして見ないと全てのバグや考慮漏れを見つけることは難しいのが実態です。

AIにもしっかりウルトラレビューさせて、バグや考慮漏れがないかはさんざん✅️したのですが、それでも考慮漏れはあるだろうと思っていました。

しかし「全社員が全機能を触って問題を洗い出してからリリース」「各人の意見を吸い上げる」的な行動をすると、リプレイスが先送りになります。

そこで考えたのが「これって大丈夫ですか意見」の募集を全体にかけることでした。

機能要望やサイトデザインに関する意見はそれこそ「終わりのない議論」です。人によって考え方も異なりますし、期待するものも青天井です(料金シミュレーションが欲しい、来訪者属性によってサイトのコンテンツ出し理由を制御したい...など「確かに欲しい」が「検討に時間がかかる」ものもあります)。

ただしかし、各チームが考える「これはリスクだろう」については各チームが専門家なわけですから、そこの洗い出しに関しては全社員にslackで打診し、意見をもらいました。

これにより、以下の部署の想定外リスクを対処することができました。

  • 開発チーム:アプリケーションの審査(Teams連携)を受ける予定で、そのタイミングでサイトが変わると審査に影響がありそうだからリリース時期を固めてほしい
  • テクニカルサポートチーム:過去記事が移管されないと、既存のヘルプセンターが過去お知らせを参照している部分が 404 になって困る
  • 情シス:ISMSのロゴを適切なものに変えたほうが良い(画像が異なる)

など...この当たりは、専門領域なので自分では考慮できず漏れていた箇所であり、このあたりを全社員が指摘してくれたのは最終確定段階では本当に助かりました。

「自然言語でサイトが変わる」革命が起きる。

そしてついに。

当初想定の 9/2にサイトをリリースしました。企画からリリースまで、2週間でリプレイスが完了しました。

リリース後「過去のブログが見れなくなりました!」という声が上がり対応したり、「導入事例のURLが前と変わっちゃった!(slugが変わっていた)」などありましたが、各問題はそれぞれ15分以内には対処できたと思っています。

やはり自然言語でサイトを改修したり改善できるメリットを早速、大きく感じました。

今まではコーディングができる人、そのサイト管理システムに精通したプロ集団でしかできなかったことが、民主化され、AIの力でできることが何十倍にも、それこそ何百倍にも増えました。

「やりたいこと」はわかっていても実装することができない。

逆に、実装者(社)は「どうすればできるか」はわかりますが「やりたいこと」はわかりません。

やりたいこと=戦略と、コーディング=実施が「一致」した瞬間でした。

改善はつづく

サイトリリース後も、どんどん改善が進んでいます。

例えば事例記事一覧では、今までシステムの制限で難しかった「業種別絞り込み」や「フリーワード全文検索」などにも対応しました。

ここに「Teams」などと文字を打つことで、Teamsという文字が含まれた記事を抽出できたりします(爆速で)。

お知らせ機能なんかも、まるでデータベースシステム化と言わんばかりに高度な機能もカンタンに実装できました。

上記は「機能アップデート配信日を期間指定して絞り込める機能」などです。SaaSプロダクト並の機能ですが、これもカンタンに実装できました。

有り難いことに、私の手を離れて改善は、マーケティングチームのweb担当者などが自ら改善を走らせられるようになりました。

AIによって、今まで数ヶ月数日かかっていた改善サイクルが、数時間、数分になった瞬間でした。

おわりに:行動に移す難しさ

今回はこの様にサイト移管を無事終了させましたが、この様な具体的なAIネイティブなwebサイトへの移管は事例はまだ少ないのが実態です。

もちろん、小規模な個人サイトの移管の記事があったり、カンタンな解説記事、AIが書いたおまとめ記事はあります。

が、具体的ではなかったり、逆にAIが書いた記事として総花・総論的な記事が多いと執筆時点では感じました。

そんな中、具体的な技術選定から進め方などを開示して、基幹サイトをしっかり移管したという本ブログには、一定の価値があると信じています。

やはり、前例のないAI変革というものは手探りも多く、また「周りからどう見られるのか」や「本当にあっているのか」という点がずっと不安でした。

しかし、最終的には「やってよかった」と旨をはれるAXプロジェクトの一つだったと思います。

ぜひ、同じ様な悩みを持っているマーケティング部門の方々にとって本ブログが、小さいけれども「勇気の種」になることを心より願っております。

さて、Webサイト。

もっと良くするぞ〜〜〜〜〜〜〜

この号はここまでです。

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