TOPブログワークフロー情報ワークフローの組織変更、当日に残る作業は2つに分かれる
ワークフロー情報約16分で読めます

ワークフローの組織変更、当日に残る作業は2つに分かれる

ワークフローの組織変更、当日に残る作業は2つに分かれる

組織変更のワークフロー対応は、いつから準備できるのか

本記事は連載「ワークフロー検討の現場から〜そのお悩みにお答えします〜」の第9回です。本連載は、ワークフローシステム「kickflow」の商談において検討中の企業から実際に寄せられた質問を起点に、製品選定の現場で繰り返し議論になるテーマを整理するものです。特定製品の優劣ではなく、判断の考え方そのものを扱います。第9回のテーマは、組織改編に向けた承認経路の準備です。

10月1日の組織変更に向けて、ワークフローの承認経路を直す。管理画面を開いて新しい組織を入れようとしたところで、手が止まります。

人事から内示の資料は届いています。生産管理部が2つに分かれること、調達部が新しくできること、誰がどちらに移るかまで書かれている。ただし、それを画面に入れられるのはまだ先です。

新しい組織は、まだシステムの中に存在していません。承認者に指定できるのは、存在しているチームだけです。経路を直せるようになるのは組織ができてからで、手際ではなく順番の問題です。

組織改編に強いワークフローを選べばよい、という話は方々で見かけます。先付けのメンテナンス、人事システムとの連携、役職ベースの経路。どれも効きます。それでも、そうした機能があっても発令日の朝に情シスが集まる状況は残ります。

本記事では、組織変更のワークフロー対応を、準備を置ける時点で並べ直します。当日に残る作業を見分けるときの、たたき台として使ってください。

ワークフローの組織変更対応は、いつから準備できるのですか

内示が情シスに届いた時点から始められます。ただし新しい組織をシステムに置けるのは公表後になることが多く、新設部署の経路づくりは発令日まで残ります。

ワークフローの組織変更対応とは、組織の定義・承認経路の定義・経路が指す席の中身の3つを、発令日に向けて揃えていく作業です。

本記事では、次の組織改編を通し例として使います。10月1日付で生産管理部が2つに分かれ、従来の生産管理部が生産管理部と調達部になる。生産管理部長が調達部長に移り、後任の生産管理部長には9月まで生産管理課長だった人が上がる。内示が情シスに渡ったのは9月上旬で、社内への公表は9月下旬です。

切り替わるもの

何が決まるか

準備を前に置けるか

組織の定義

調達部というチームが存在するか。誰がそこに所属するか

置ける。ただし有効化前の組織図がどこに現れるか次第

経路の定義

部品発注の稟議が、調達部長を通るか

置ける。ただし新規に作る経路は当日まで残る

経路が指す席の中身

9月28日に出した稟議を、いま誰が承認するか

置けない。発令日に一斉に入れ替わる

切り替え日はどれも10月1日です。分かれるのは、その準備をいつ置けるかのほうです。

そして3行目だけは、発令日に一斉に起きます。人の所属と役職は10月1日に切り替わり、経路がその席を指している以上、指し先の中身もその日に入れ替わります。3行目に前倒しの余地がないため、1行目と2行目を発令日という同じ1日に合わせにいくことになります。

「組織変更の日」と呼んでいるものは、この3つが同じ日に重なっているだけです。

10月1日に切り替わる3つのうち、組織の定義と経路の定義は準備を前に置けるが、経路が指す席の中身には前に置ける準備がないことを時間軸で示した図

なぜ発令日の前に承認経路を直せないのですか

経路が組織を参照しているためです。指定できるのは、すでにある参照先だけです。前倒しの幅は、未来の日付で有効になる組織図を先に作れるかどうかで分かれます。

経路の中身は、「生産管理部の部長」のような参照でできています。調達部が存在しない9月中は、調達部長という参照先そのものが作れません。

未来の日付を指定して有効化できる組織図を作れる製品なら、ここに窓が開きます。9月のうちに10月1日付の組織を作り、それを参照して経路のバージョンを予約しておく。発令日には何もしない形に近づきます。

ただし、窓が開いても、そこを全部は通れません。通れない箇所が3つあります。

1つ目は、新しく作る経路です。 既存の経路に新しいバージョンを足すときは未来の組織図を参照できても、経路そのものをゼロから作るときは現在の組織図しか選べない、という製品があります。調達部は新設なので、部品発注の経路も新規です。現在の組織図でいったん保存してから編集で切り替える、という手順を踏むことになります。

2つ目は、切り替え日のずれです。 組織図の切り替え日と経路のバージョンの切り替え日を別々に設定できると、揃え忘れが起きます。1日ずれれば、その1日は経路が存在しない部署を指している状態になります。エラーで止まるか承認者が空のまま流れるかは製品によりますが、どちらにしても発令日の朝に発覚します。

3つ目は、切り替えたときに設定が外れる箇所です。 経路の編集画面で参照する組織図を未来のものに切り替えると、その経路に設定していたチームの指定がクリアされることがあります。同じコードのチームが新しい組織図にも存在していても、システムから見れば別の組織図の上の別のチームだからです。事前に作り込んだつもりの経路を発令日に開いたら承認者の欄が空だった、という形で、前倒しの作業がそのまま前倒しの手戻りになります。

経路の中に個人名が残っている場合は、組織図を切り替えたあとも、経路にその名前が残ったままになります。洗い出す作業が別に要ります。割り当て方式を見直す話は、承認経路のメンテが終わらない理由で整理しています。

有効化前の組織図は、公表前に登録してよいのですか

権限の設定ではなく、有効化前の組織図がどこに現れるかで決まります。

内示の情報をいつシステムに入れてよいか、という論点が機能の外側に別にあります。ここは、権限を絞れば済むと読まれやすいところです。組織図を触れる人はもともと内示を知っている数名なので、その理屈なら先に作れてしまいます。

確かめる先は3つあります。

  1. 申請画面の宛先候補や組織の検索に、有効化前の新部署が出てくるか
  2. 承認経路の一覧を申請者が開いたときに、まだ発令されていない役職名が見えるか
  3. 人事システムや他システムと連携している場合、組織マスタの更新がそちらへ伝播するか

どれにも当たらないなら、公表前でも組織図は先に置けます。ひとつでも当たるなら、権限をどう絞っても漏れます。前倒しできる日は、機能の有無ではなくこの3点で決まります。

切り替え日をまたいだ申請は、どちらの経路で回りますか

多くの製品で、申請した時点の経路の形のまま最後まで回ります。分かれるのは、その経路が指している人がいつ確定するかです。製品ごとにどちらか一方に決まるので、備える相手も一方だけになります。

9月28日に、部品の発注稟議が1件上がっていたとします。金額は200万円で、経路は生産管理課長、生産管理部長、工場長の3段。9月30日までに課長の承認が付き、10月1日の時点で部長の段に来ていました。

申請の時点で承認者を確定する製品なら、部長の段に置かれているのは9月時点の生産管理部長、つまり調達部へ移った人です。10月2日に、その人の承認で稟議は次の段へ進みます。画面の上では、何ごともなく流れていきます。

残るのは、権限のほうです。その承認は、その日の規程上、どの役職の権限で行われたことになるのか。押した本人は、その日にはもう調達部長です。生産管理部長として押した承認を、決裁権限規程のどの行と突き合わせるのか。記録の見え方ではなく、決裁が有効かどうかの話になります。

取りうる形は3つです。

  1. 同一人物であることを根拠に追認する
  2. 切替日をまたいだ分だけ、新しい経路で決裁を取り直す
  3. そもそも切替日の前に締める

どれを選ぶかは規程の書き方によって分かれるため、規程を持っている側と一緒に決めることになります。規程とシステム設定の対応関係は、決裁権限規程の1行は、ワークフローの4か所に分かれるで扱っています。

段に来たときに解決する製品なら、10月1日以降は「生産管理部長」の席を引き直します。後任の発令が遅れて席が空いていれば、承認者不在で止まります。申請者の画面には、承認待ちとだけ表示され続けます。こちらは対策が打てます。代理承認を置く、一定日数で上位者へ引き上げる。運用でも設定でも軽減できます。

後任が座っていれば、申請はそのまま進みます。ただし、9月30日に課長として同じ稟議を承認した人が、今度は部長としてもう一度この稟議に現れます。同じ人が経路上の2つの段に現れたときに、2回目を自動で通す設定を持つ製品もあります。どちらにしても、上位者が別人であることを前提に組んだ3段が、その1件では2段分の意味に縮みます。

2つは、どちらか一方しか起きません。 そのうえで重さが違います。止まった申請はその場で誰かが気づいて動かせますが、すでに付いた決裁は、そのまま記録に残り続けます。

差し戻しが挟まると、もう一段変わります。差し戻して再申請したときに経路が組み直されるかどうかは製品によって分かれ、組み直される場合は同じ申請が途中から新しい経路に乗ります。再申請の時点で条件分岐まで評価し直されると、金額や部門で分かれる書式は、経路の段数そのものが変わることもあります。

切替日をまたいだ申請の帰結が、承認者を申請時に確定する製品では不可逆な決裁記録に、段に来たときに解決する製品では対策できる停止になることを対比した図

発令日にしかできないことは何ですか

時点で仕分けると、当日に残る作業は2種類に分かれます。

時点

できること

この時点ではできないこと

内示が届いてから公表まで

直す対象の経路を洗い出す。新旧の対応表を作る。個人指定が入っている経路を抜き出す

新しい組織をシステムに置く(有効化前の組織図がどこに現れるか次第)

公表から発令日まで

未来の日付で有効になる組織図を作る。既存の経路に新しいバージョンを予約する

新設部署のための経路を新規に作る(現在の組織図しか選べない製品がある)

発令日

新規作成が必要な経路を作る。予約が効かなかった経路を直す

走っている申請を、新しい経路の形に載せ替える

発令日以降

旧経路で止まっている申請を動かす

すでに付いた決裁を組み替える

1つ目は、公表日より前に置けなかったものです。 組織図の登録と、それにぶら下がる経路バージョンの予約です。内示が2週間前に届く企業と、公表と同時に知る企業では、作業を置ける期間の長さが変わります。

2つ目は、公表日と無関係に残るものです。 新規作成が必要な経路と、切り替えで落ちるチーム指定です。こちらは内示が3か月前に届いても当日に残ります。人事との距離を詰めても、同じ量だけ当日に置かれることになります。

2つ目を減らせるのは、選定の段階だけです。 運用の工夫でも、人事との段取りでもありません。当日の作業を短くしたいときに、どちらを相手にしているかを先に見分けておくと、打つ手の宛先を間違えずに済みます。

当日に残る作業の2系統のうち、公表日より前に置けなかったものは人事との段取りで短くなり、公表日と無関係に残るものは選定の段階でしか減らないことを示した図

組織変更の前に、何を確かめますか

聞く相手で分かれます。仕様として答えが返ってくるのは選定先への4項目で、社内の3項目は社内でしか決まりません。

社内で確かめること

  1. 内示が情シスに届くのは発令日の何日前か。その情報を、どこまでシステムに入れてよいか
  2. 切替日をまたいで承認が続く申請が、書式ごとにどのくらい残るか
  3. 切替日をまたいだ決裁を、規程の側でどう扱うことにするか

選定先に確かめること

  1. 未来の日付で有効になる組織図を作れるか。その組織図を参照して経路を事前に作れるか
  2. 経路を新規に作るときと、既存の経路にバージョンを足すときで、参照できる組織図が変わるか
  3. 組織図を切り替えたとき、経路に設定していたチームの指定は保持されるか
  4. 有効化前の組織図は、一般ユーザーの宛先候補や経路の一覧に現れるか。連携先へ伝播するか
  5. 経路が指す承認者は申請の時点で確定するか、段に来たときに解決するか。差し戻して再申請したときはどうなるか

なお、内示が情シスに渡るタイミングを何週間前にするかは社内の側で決まる話ですが、そこを動かしたところで当日に残る2つ目は減りません。機能の話と段取りの話を並べても、当日の作業量は思ったほど動かないことがあります。

生産管理部の分割では、当日まで何が残りましたか

通し例の組織改編を、実際の時系列で追います。9月上旬に内示が届いて、片付いたのは10月の半ばでした。

9月上旬から下旬にやったのは、洗い出しだけです。生産管理部が経路に出てくる書式を並べ、個人名で指定されているものに印を付け、新旧の対応表を作る。有効化前の組織図が申請画面の宛先候補に出ることが分かったため、システムには何も置けませんでした。

9月下旬の公表後に、10月1日付の組織図を作って予約しました。既存の経路のうち、生産管理部の部長を参照しているものは、新しいバージョンを同じ日付で予約できました。ここは窓を通った部分です。

10月1日に残った作業は2件でした。新設の調達部を通る部品発注の経路は新規作成だったため、当日に作りました。もう1つは、9月中に予約したはずの経路のうち2本で、開いてみたら承認者の欄が空になっていたものです。組織図を切り替えたときにチームの指定が落ちていました。

この2件は、どちらも2つ目のほうです。 内示がもっと早く届いていても、同じように当日まで残っていました。

10月に持ち越したのは、9月28日の部品発注稟議を含む、切替日をまたいだ申請です。この企業の製品は承認者を申請の時点で確定する方式だったため、止まった申請はゼロでした。代わりに、調達部へ移った人の名義で決裁が付いたものが残りました。規程の側でどう扱うかを法務と決めるところまでやって、ようやく終わりという形です。

次の4月に短くなるのは、この2件の見当が付いている分になります。

まとめ

組織変更のワークフロー対応が発令日に寄るのは、3つの別々の作業を1つの日付で考えているためです。

  • 10月1日に切り替わるのは、組織の定義・経路の定義・経路が指す席の中身の3つ。準備を前に置けるのは前の2つだけ
  • 経路を事前に直せないのは参照先の組織がまだ無いから。未来の日付で有効になる組織図を作れると窓が開く
  • 公表前に置けるかは権限の設定ではなく、有効化前の組織図が申請画面・経路の一覧・連携先のどこに現れるかで決まる
  • 当日に残る作業は2つ。公表日より前に置けなかったものは人事との段取りで短くなるが、新規作成の経路とチーム指定の脱落は選定の段階でしか減らせない
  • 切替日をまたいだ申請で起きることは、承認者がいつ確定するかで一方に決まる。止まるのは対策できるが、付いた決裁は組み替えられない

次の組織変更のときは、経路の一覧ではなく、作業を時点で仕分けたメモを先に作る。当日に残るものが2つのどちらなのかは、その時点で見分けられます。

よくある質問

差し戻して再申請した申請は、新旧どちらの経路で回りますか

製品によって分かれます。差し戻し後の再申請を同じ申請の続きとして扱い最初に確定した経路のまま回すものと、再申請の時点で経路を組み直すものがあります。後者では、9月に起票された申請が10月の再申請で新しい経路に乗り換わり、承認済みだった段が消えることもあります。金額や部門で分岐する条件が入っている書式ほど影響が出やすいため、切替日の前後に差し戻しが起きうる書式は事前に挙動を確かめておくことになります。

人事システムと連携していれば、経路の修正は不要になりますか

連携が届く範囲によって分かれます。人事システムから流れてくるのは所属と役職の情報で、これが自動で反映されれば、役職や組織を参照している経路は追従します。一方、個人名で指定されたステップ、部門をまたぐ役割のチーム、条件分岐の中に書かれた組織名は、連携の対象外になることが多くあります。残る修正が何本あるかは、経路の一覧を割り当て方式で仕分けてみて初めて数えられます。

組織変更の前後で、承認の記録は遡って確認できますか

製品によって扱いが分かれます。決裁の時点で承認者がどの組織に所属しどの役職だったかを記録に残すものと、現在の所属を表示するだけのものがあります。監査で問われるのは決裁時点の状態なので、組織変更を何度も経た後に過去の決裁を再現できるかは選定の段階で確かめる論点になります。過去の組織図そのものを残せるか、という聞き方をすると答えが返ってきやすくなります。

デモのご予約、お問い合わせはこちら

サービスの詳しい説明や
デモを希望する

打合せを予約

まずはサービスの概要を
資料で確認する

資料ダウンロード

料金体系や最適なプランの
案内を希望する

料金のお問い合わせ