決裁後のステップで通知が作業担当に届かない経路の組み直し方
こんにちは。シンプルなのに多機能で圧倒的に使いやすい、クラウドワークフロー「kickflow」のメディア運営チームです。
「部長の決裁は下りているのに、作業する部署に通知が届くのは後ろの確認が全部終わってからになる」
依頼系の申請をワークフローに載せた会社で、作業する側からこうした声が出ることがあります。
作業担当が完了の通知だけを受け取る形では、決裁のあとの確認や回覧が終わるまで、申請が手元に届かないためです。
決裁の時点で作業担当にも知らせれば、着手は早まります。
一方で、決裁のあとにも依頼の中身を差し戻せるステップが残っていると、始めた作業がやり直しになることがあります。
そこで今回は、決裁のあとに続くステップの3つの種類と、種類に応じた作業担当の置き場所を解説します。
この記事の要点
- 決裁のあとに確認や回覧のステップが続く限り、決裁が下りた時点と申請が完了する時点は一致しません
- 決裁後のステップは、依頼の中身を見るステップ、申請の値を見るステップ、知っておくためのステップの3つに分かれます。作業を待たせる理由を持つのは、依頼の中身を見るステップだけです
- 依頼の中身を見るステップを決裁の前に移せる依頼は、作業担当を決裁の直後に置けます
- 移せない依頼は、決裁の直後に準備の予告を届けます。配信のような外に出る作業の合図だけを、中身を見るステップのあとに出します
ワークフローの決裁と申請の完了がずれる仕組み
ワークフローでは、決裁のあとにステップが残っている限り、決裁が下りた時点と申請が完了する時点は一致しません。
作業担当が完了の通知を合図にしていると、決裁から作業開始までのあいだに、後ろのステップの待ち時間がそのまま入ります。
決裁後のステップとは、決裁者が承認したあとに経路に残っている確認や回覧のステップのことです。
決裁権限規程で決裁者が決まっていても、その後ろに法務や経理の確認、上位者への回覧を置く会社もあります。
例えば、事業部の企画担当が、新製品のプレスリリースの配信を広報に依頼する申請を出すとします。
原稿は申請に添付し、有料の配信サービスの費用5万円は事業部の予算から出します。
配信希望日は2週間後です。
事業部長の決裁は、配信するかどうかと費用を決めるステップです。
法務は、決裁が下りた依頼だけを確認する運用を取っているため、表現の確認は決裁のあとに置かれています。
却下される依頼に、法務の時間を使わないためです。
ステップ | 担当 | ステップの操作 |
|---|---|---|
1 | 企画課長 | 承認 |
2 | 事業部長(決裁) | 承認 |
3 | 法務(表現の確認) | 承認または差し戻し |
4 | 経理(予算科目の記載の確認) | 承認または差し戻し |
5 | 事業本部長 | 確認つきの回覧 |
完了 | 広報(通知を受け取る) | - |
確認つきの回覧とは、差し戻しの操作を持たず、内容を見たことを「確認」の操作で記録するステップのことです。
確認するまで申請は次へ進みません。
これに対して確認なしの回覧は、届いたことだけを知らせて自動で次へ進むステップです。
事業本部長は、新製品の発売を自分が出る会議で決めているため、個々の配信は知っておけば足ります。
それでも確認つきの回覧になっているので、出張が重なれば、配信希望日までの2週間のうち数日が確認待ちに消えます。
この設計そのものは、誤りではありません。
完了した申請だけを作業の対象にすれば、作業担当は途中で中身が変わる心配をせずに済むんです。
決裁後のステップの3つの種類
決裁後のステップは、そのステップが差し戻したときに何が変わるかで3つに分かれます。
作業を待たせる理由を持つのは、差し戻すと依頼の中身が変わるステップだけです。
種類 | 見ているもの | 差し戻されたときに変わるもの | 例の会社のステップ |
|---|---|---|---|
依頼の中身を見るステップ | 依頼をそのまま実行してよいか | 依頼の中身(原稿の書き直し、配信の取りやめ) | 法務の表現の確認 |
申請の値を見るステップ | 科目や番号など、申請に書かれた値が正しいか | 申請の値だけ | 経理の予算科目の記載の確認 |
知っておくためのステップ | 何が決まったか | 差し戻しの操作がなく、何も変わらない | 事業本部長への回覧 |
以前は、作業担当には決裁が下りた時点で知らせれば足りると考えていました。
そう思わなくなったのは、決裁翌日の知らせで配信の予約まで済ませた依頼が、法務に原稿ごと差し戻された場に居合わせてからです。
準備のやり直しは1日で済みましたが、予約を取り消せるかは配信サービスの締め切りしだいでした。
法務の指摘で表現が変われば、広報が配信サービスに入れた原稿も差し替えになります。
配信したあとで差し戻されると、取り下げには配信サービスの窓口への依頼が要り、転載先の記事まで消えるとは限りません。
直すときは、お詫びと訂正箇所をまとめた訂正リリースを別に出すことになります。
申請の値を見るステップは、差し戻しても依頼の中身を変えません。
ただし、差し戻した申請を出し直すと、経路をもう一度最初から通る製品があります。
その場合に起きるのが、科目を直すだけの差し戻しによる、決裁を含む前のステップの承認のやり直し。
経理が科目を自分で入力できる欄にしておけば、科目の誤りを理由にした差し戻しは減らせます。
経理のステップを申請の値を見るステップとして扱えるのは、予算の残りを決裁の前に確かめている場合です。
予算の残りを経理のステップで見ていると、残りが足りないときは配信が取りやめになります。
その場合、経理のステップは依頼の中身を見るステップに変わります。
知っておくためのステップが作業を遅らせる原因は、差し戻しではなく確認待ちです。
確認なしの回覧にするか、作業担当と並列に置けば、作業を待たせません。
知っておくためのステップがなぜ承認のステップとして置かれやすいかは、承認の形骸化は段を減らす前に役割で見分けるで扱っています。
中身を見る確認の位置と作業担当の置き場所
作業担当の置き場所は、依頼の中身を見るステップを決裁の前に移せるかどうかで決まります。
移せる依頼は決裁の直後に置き、移せない依頼は準備と配信に分けて知らせます。
依頼の中身を見るステップを決裁の前に移せるのは、原稿が申請の時点で固まっていて、法務が決裁前の依頼も確認できる場合です。
同じ申請の経路の中で法務を決裁の前に入れ替えれば、決裁者は法務の確認を経た依頼を見て決裁できます。
決裁後に残るのが申請の値を見るステップと知っておくためのステップだけなら、作業担当を決裁の直後に置けます。
残ったステップとは並列にできます。
例の会社のように法務が決裁前の依頼を受けない運用なら、法務を決裁の前には移せません。
この場合は、やり直しが手間で済む準備と、外に出たら取り消せない配信とで、知らせる時点を分けます。
ステップ | 担当 | ステップの操作 | 広報にとっての意味 |
|---|---|---|---|
1 | 企画課長 | 承認 | - |
2 | 事業部長(決裁) | 承認 | - |
3(並列) | 法務/広報 | 法務は承認または差し戻し、広報は確認なしの回覧 | 配信枠の仮押さえなど、準備を始めてよい予告 |
4(並列) | 広報/経理/事業本部長 | 広報は確認つきの回覧、経理は承認、事業本部長は確認なしの回覧(現状の確認つきから変更) | 配信してよい合図。広報の確認で受付が記録される |
並列のステップがすべて終わるまで次へ進まない製品なら、法務が差し戻した申請に配信の合図は出ません。
経理をステップ4に置くと、広報が合図を受けて配信したあとに、経理の差し戻しで申請が戻ることがあります。
経理をステップ3で法務と並べれば、合図は経理の承認も待ちますが、配信のあとに申請が戻ることはありません。
ステップ4に置けば合図は早まる代わりに、戻ったときは配信済みの依頼に確認をやり直します。
どちらに寄せるかは、経理の確認が法務より長くかかるかどうかで決まります。
並列のステップの1つが差し戻したときに他のステップの承認がどうなるかは、並列承認で合議を組む前に、異議の出口を決めておくで整理しています。
作業担当への通知の4つの方法
作業担当への通知の方法は4つあり、ステップとして置く2つと、ステップにしない2つに分かれます。
作業の合図に向くのはステップとして置く方法で、ステップにしない方法は進み具合を追う人や例外の申請に向きます。
通知の方法 | 届く時点 | 作業担当の記録 | 向く場面 |
|---|---|---|---|
確認つきの回覧のステップ | そのステップに来たとき | 確認した日時が残る。確認するまで申請は完了しない | 作業の受付を記録したい依頼 |
確認なしの回覧のステップ | そのステップに来たとき | 届いたことだけ。申請は止まらない | 予告など、知らせるだけで足りる依頼 |
申請のウォッチ | どのステップの承認でも届く | 記録されない | 進み具合を追いたい人 |
申請者が申請時に足すステップ | 足した位置に来たとき(足せる位置は製品が決める) | ステップの操作による | 普段は作業担当がいない申請の例外 |
申請のウォッチは設定が手軽な代わりに、決裁より前のステップの承認でも通知が届くため、決裁が下りた知らせが埋もれます。
ステップとして置いた作業担当には自分宛ての依頼として通知が届くため、ほかのステップの承認の知らせに埋もれにくくなります。
確認つきの回覧のステップを使う場合は、広報の確認を「受け付けた」の意味で使うか、「配信した」の意味で使うかを先に決めます。
確認するまで申請が完了しないため、「配信した」の意味で使うと、申請の完了が配信の完了と重なります。
届いた依頼を作業担当が一覧でどう追うかは、依頼系の申請は一覧を見ても誰の件か分からない。原因と一覧から逆算するフォーム設計で扱っています。
まとめ
決裁より後ろのステップを3つの種類に振り分けると、作業担当を前に出せる余地が見えます。
依頼の中身を見るステップが残る申請は、そのステップの担当部門と、決裁の前の依頼も見てもらえるかを話すところが次の一手です。
よくある質問
回覧にした作業担当が受けられない依頼に気づいたら、何をしますか?
確認つきの回覧には差し戻しの操作がないため、コメントで申請者に伝えるか、作業担当のステップを承認のステップにするかで分かれます。
承認のステップにすると、作業担当そのものが依頼の中身を見るステップになり、配信の合図を置く位置も変わります。
配信枠の空きのように申請の時点で分かる条件なら、申請画面に載せて決裁の前に確かめる方法もあります。
並列にしたステップが差し戻したことを、作業担当はどう知りますか?
経路に入っている担当者には、自分のステップの前後を問わず差し戻しの知らせが届く製品があります。
差し戻しのコメントを見れば、変わるのが申請の値だけか、依頼の中身かを判断できます。
値だけなら始めた準備はそのまま使え、出し直した申請が届いたら確認し直します。
作業が終わったことは、どこに残しますか?
受付の確認とは別に、並列のステップのあとへ完了報告のステップを置き、完了日を作業担当が入力する欄を設ける方法があります。
この場合、申請の完了は作業の完了まで延びます。
完了した申請から作業用の申請を自動で起こせる製品なら、作業の記録を別の申請に分ける方法もあります。
作業部門と経路の担当者が、決裁のあとのステップを1つずつ見直すときの手がかりになれば幸いです。