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営業担当から詳しく聞く福岡地所株式会社

抱えていた問題点 | ・社内の業務システムがサイロ化(孤立)し、手作業でのデータ入力に大きな手間が発生 |
|---|---|
導入の理由 | ・他システムと柔軟に接続のできる豊富なAPI/Webhookを提供していたこと |
導入効果 | ・稟議データの可視化でデータドリブンな分析が可能に |

栗原:福岡地所は「福岡をおもしろく」「大きな夢がかなう街(まち)にしたい」という思いで、オフィスビル・商業施設・マンション・ホテル・物流施設等の企画開発を行っています。
私たちDX推進部は、福岡地所及び福岡地所グループ全体のDXを推進することをミッションとして、データドリブンな意思決定の実現、社員の生産性向上、安全・便利な業務環境の維持・提供など、様々な角度から事業変革に向けた施策に取り組んでいます。
伊藤:5年ほど前に、ペーパーレスの促進と決裁スピードアップを目的に、クラウドのワークフローシステムを導入しました。
当時はOffice365との連携のしやすさを重視して製品を選びましたが、社内の業務効率化や事業スピードアップを目指していく中で、「フリーフォーマット形式での運用」が課題となってきていました。
山下:福岡地所グループの業務は幅広く様々な種類の稟議があるのですが、それらの多くを「フリーフォーマット形式の稟議書」を使って作成していました。そのため、人や部署ごとに申請タイトルや内容の書き方がバラバラになってしまい、入力内容の過不足や誤字脱字などのケアレスミスの発生、それらのミスを防ぐためのチェック工数の増加などの課題が発生していました。
また、承認経路も申請者が毎回手作業でセットする仕組みでしたので、合議者の追加漏れなどによる差戻しも発生していました。申請や承認のスピードが落ちてしまっていたと思います。
栗原:DX推進部では、「一気通貫のシステム連携」による業務効率化をDXの重点施策として取り組んでいます。この観点でも、稟議のフリーフォーマット運用は大きな課題でした。
入力項目が標準化されていないため、入力値の自動抽出や集計が困難でしたし、マスタ参照等ではなく手入力されたテキストデータは値の精度(表記ゆれ等)にも課題がありました。
一気通貫のシステム連携を実現するにあたり、会社のあらゆる業務の通過点となる稟議ワークフローは重要となってきます。稟議の作成や承認にかかる時間を減らすと共に、決裁された情報が後工程の業務やシステムにスムーズに連携できる仕組みを実現するため、稟議システムの改革に着手しました。

伊藤:フリーフォーマット形式からの脱却が大きなテーマでしたので、まずは稟議のひな形作成や経路設定の柔軟性を重視して選定しました。クラウドサービスでありながら、複雑な業務パターンにも対応できる柔軟なひな形設計が行えることは大きな魅力でした。
また、一気通貫のシステム連携の観点から、他システムとの連携に必要なAPI/Webhookの機能が豊富だったことも重要な選定理由の一つです。

渡邊:過去1年間で起案された稟議書を確認して、共通項目を洗い出し、決裁権限を意識しながら、稟議の分類などを行いました。「1つのフリーフォーマット」だった稟議書を「発注稟議」「契約稟議」…など業務パターンごとに落とし込み、一つずつひな形化していきました。
作成したひな形は、いきなりリリースするのではなく、その稟議を実際によく起案する現場の方にもレビューしてもらい、繰り返し改善していきました。わたしたちの熱意が伝わったのか、事業部の現場の皆さんもとても前向きに協力して頂けました。
グループ5社で約12,000本の稟議書を確認し、作成したひな形は最終的に約200本になりました。全部で4ヶ月程度かかったと思います。
伊藤:当初はひな形作成を1人の担当者だけで進めていましたが、作業量が膨大だったために急遽人員を6名まで増やし、リリース直前の時期はDX推進部のメンバーほぼ総出で協力して頑張りました。
渡邊:各種ひな形の設計だけでなく、「承認経路の整理」も難しかったですね。今までは申請のたびに申請者が自ら承認経路を設定していました。
これをシステム設定するにあたり、決裁権限ルールの調査、合議部署をどうするか…など各部署と議論し、承認経路を整理しました。結果、承認経路が申請内容に応じて自動設定されるようになり、申請者の負担をかなり減らせたと思います。
山下:今回の稟議システム導入と併せて、グループ全体の取引先マスタの統合・整備にも取り組みました。取引先の方と名刺交換したら、名刺管理のクラウドサービスに名刺を登録します。
その後、名寄せシステムを経て、新規取引先であれば自社で用意している取引先マスタのDB(データベース)に情報が追加されます。取引先マスタとkickflowの汎用マスタも自動同期するよう連携開発も行っています。

伊藤:取引先マスタの統合化にもこのタイミングで着手した理由は、グループ全体のデータ利活用推進に繋げるためです。全業務の通過点である稟議システムで入力されるデータが、その後の工程や最終的な業務のアウトプットに繋がる源泉となります。
稟議システムの導入に伴い、名刺交換~取引開始(稟議起案)までの業務プロセス全体を見直しシステムと連動させることで、正規化された綺麗な状態の取引先マスタが自然と維持され、稟議に入力されるデータの品質も担保できる仕組みを構築しました。
栗原:本マスタ統合の部分は、DX推進部のデータドリブン推進チームとも連携して全体の構想を描いています。
過去の取引先マスタのクレンジングも並行して行っており、かなり難易度が高く泥臭い対応となったのですが、チームメンバー皆の尽力もありなんとかやり遂げることができました。

栗原:いえ、正直ここまで一気にやれるとは最初は思っておらず、kickflowの選定当初よりかなりスコープは大きくなりましたね。
しかし、あらゆる業務の通過点となる稟議システムを刷新するこのタイミングで手を打たないと、後から業務プロセスを大きく変えるのはさらに困難になってしまうと思い、実施に踏み切りました。

山下:当初目標としていた「意思決定スピードの向上」の定量的な効果測定については、現在まだデータ収集中の段階ですが、リリースして1.5か月ほど経過して実施した社内アンケートの結果では起案者/決裁者共に「決裁スピードが上がった」という声を多く頂いています。
また、iPhone等のモバイル端末での視認性・操作性が大きく向上したことで、外出先からの稟議確認や決裁がしやすくなったという評価も頂いています。管理者目線としては、kickflowはUIがシンプルでわかりやすいのでワークフローを作るスピードも格段にあがりました。
伊藤:kickflowはAPIが豊富に用意されていることもあり、データの集計や分析がしやすくなったのが嬉しいです。現在、kickflowで申請された稟議データをBIツール等と連携し可視化する検証を進めています。
例えばグループ会社ごとに決裁レベルごとの件数分布などを可視化することで、会社ごとの権限移譲の状況や業務の偏り等が見えてきます。
また、稟議カテゴリやひな形ごとの差戻し件数、決裁日数の傾向などを可視化することで、会社全体の中で課題がある業務領域やオペレーション等を定量的に見つけ出すことができると期待しています。
kickflowの稟議データを活かして、より効果的な業務効率化の施策に繋げていきたいです。

※上記はダッシュボードのイメージです。実際の値とは異なります
渡邊:運用上の課題としては、今までは「1つのフリーフォーマットの稟議書」だけで良かったのが、今回から約200個もあるひな形から選択するように変わったため、申請者側からは「どのひな形で申請していいか悩んでしまう」といった声も頂いています。
申請者が迷わずに使いたいひな形を見つけられるように、カテゴリ分けやひな形の件名・説明欄などを工夫して対策していく予定です。
伊藤:申請するひな形の選択で迷う点については、まだシステム導入後間もないので、今後時間が経って申請者の皆さんも慣れてくると自然と解決する部分もあると思います。
また、そもそものシステム変更の経緯や目的についてしっかり把握されていないために、違和感を持たれている方もいらっしゃるかと思います。データ利活用や業務効率化といったDX戦略に、このkickflowがどのように繋がっていくのか、しっかり周知を図っていきたいと思います。

栗原:稟議システムのリプレイスは、非常に重たい一大プロジェクトになります。担当者1人に任せてしまうのではなく、専任チームとして厚めの体制を組むのが良いと思います。
また、単なるシステムの導入や環境構築だけでなく、既存の業務プロセスや社内ルールにも大きく影響します。各種規程や現場の業務理解も必要になりますので、関係部署や現場の方も巻き込みながら一体的に進めないと上手くいきません。
API/Webhookなどをフル活用してシステム連携なども実装するのであれば、そういった開発が可能な技術メンバーもチームに入れる必要があります。
山下:導入時に課題が発生しても、現場にヒアリングし対話を続けていけば、ちゃんと思いが伝わるはずです。
他部署を巻き込むことを怖がらずに、課題へ対応していくことが大事だと思います。
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