ワークフローシステムとは?導入メリットや選び方、導入の進め方のコツを解説

こんにちは。シンプルなのに多機能で圧倒的に使いやすい、クラウドワークフロー「kickflow」のメディア運営チームです。
「稟議書の承認がどこで止まっているか分からない」「ハンコをもらうためだけに出社しなければならない」「過去の決裁内容を探すのに時間がかかる」。紙やメール、Excelで申請・承認を回している職場では、こうした悩みが日々の業務の中で積み重なっていきます。
ワークフローシステムは、申請・承認・決裁のプロセスを電子化し、申請や承認の停滞、ハンコのための出社、過去の決裁を探す手間を解消するためのシステムです。導入すると業務のスピードが向上し、コスト削減につながります。承認履歴が記録として残るため、内部統制の強化にも貢献します。
ただし、導入を成功させるには、自社の業務に適したシステムを選ぶことが欠かせません。本記事では、ワークフローシステムの定義と従来の運用との違い、導入のメリット、主な機能、種類、失敗しない選び方、導入の進め方、注意点を順に解説します。
この記事の要点
- ワークフローシステムとは、業務の流れを電子化し、申請・承認・決裁といったプロセスを一元管理するためのシステムです
- 紙・Excel運用との違いは、出社や郵送が不要になること、承認の進捗が見えること、過去の書類を検索できること、修正履歴が残ることの4点です。グループウェアのワークフロー機能との違いは、複雑な分岐条件や外部システムとの連携、詳細な権限管理に対応できる点です
- 導入のメリットは、業務の可視化と標準化、ペーパーレス化によるコスト削減、申請・承認のスピード向上、内部統制とコンプライアンスの強化、テレワーク環境への対応の5つです
- 主な機能は、申請・承認・決裁の電子化、進捗状況のリアルタイムでの可視化、外部システムとの連携、アクセス権限の管理の4つです
- 種類はクラウド型、オンプレミス型、業務特化型、汎用型、API・Webhook対応型の5つで、導入の目的や業務内容に合わせて選びます
- 選び方のポイントは、直感的で使いやすいか、組織変更や人事異動に追従できるか、外部ツールと連携できるか、設定変更を安全に行えるかの4つです
- 導入は、導入目的の明確化から運用状況の分析・改善までの10ステップで進めます。注意点は、現行業務フローの見直し、従業員のITリテラシー、組織変更に伴うメンテナンス負担、導入コストとランニングコストの4つです
ワークフローシステムとは?
ワークフローシステムとは、業務の流れを電子化し、申請・承認・決裁といったプロセスを一元管理するためのシステムです。稟議書、経費精算書、休暇届、住所変更届といった社内の申請を、紙の書類の代わりにシステム上で作成し、承認者へ回し、決裁までを完結させます。
従来の紙ベースやメールを用いた業務フローでは、申請の遅れや承認の見落としが発生しやすく、管理の負担も大きくなりがちでした。導入すると業務プロセスが可視化されて作業の効率が上がり、ペーパーレス化でコストも減ります。承認履歴がデータとして蓄積されるため、内部統制の強化にもつながります。
ワークフローシステムと紙・Excel運用の違い
ワークフローシステムと紙・Excel運用の違いは、申請や承認がシステム上で完結し、進捗と履歴が記録として残る点です。紙の書類やメール、Excelファイルを使った申請・承認には、次の4つの課題があります。
- 物理的な制約:書類を回すために出社が必要になり、郵送ではタイムラグが発生します
- 進捗の不透明さ:誰の手元で承認が止まっているかが分かりません
- 管理・検索の難しさ:過去の書類が倉庫やキャビネットにあり、すぐに参照できません。紛失のリスクもあります
- 改ざんリスク:承認後の書類に対する修正履歴が残らない場合があります
ワークフローシステムでは申請や承認がシステム上で完結するため、処理が速くなり、今どの段階にあるのかをリアルタイムで把握できます。紙の印刷や保管、郵送のコストが減り、承認履歴がデータとして記録されるため、監査対応がしやすくなり、不正防止にも有効です。
ワークフローシステムとグループウェアの違い
ワークフローシステムとグループウェアの違いは、ワークフロー機能が主役か、付属機能かという点です。グループウェアにも簡易的なワークフロー機能が付いていることがありますが、スケジュール管理や掲示板などの機能の一部として提供されるのが一般的です。専用のワークフローシステムは、複雑な分岐条件、外部システムとの連携、詳細な権限管理など、意思決定プロセスを最適化するための機能を備えています。
比べる点 | グループウェアのワークフロー機能 | 専用のワークフローシステム |
|---|---|---|
位置づけ | スケジュール管理や掲示板などの機能の一部 | 申請・承認・決裁の電子化が主機能 |
承認経路 | 簡易的な設定 | 金額や部門による分岐など、複雑な条件に対応 |
外部システムとの連携 | 限定的 | API・Webhookによる連携を備える製品が多い |
権限管理 | 簡易的 | 部署や役職ごとの詳細な設定 |
グループウェアのワークフロー機能で足りるかどうかの判断は、グループウェアのワークフロー機能で十分?ワークフローシステムとの違いとはで詳しく扱っています。
ワークフローシステムの導入が進んでいる3つの理由
ワークフローシステムを導入する企業が増えている背景には、次の3つの要因があります。
- DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進:業務のデジタル化が求められる中で、ワークフローシステムは業務プロセスの自動化を支援するツールとなっています
- テレワークの普及:クラウド型のワークフローシステムを活用すれば、場所を問わず業務を遂行できる環境が整います
- コンプライアンス強化:承認履歴の保存や業務プロセスの透明化が可能になり、多くの企業で採用が進んでいます
ワークフローシステム導入の5つのメリット
ワークフローシステムを導入するメリットは、業務の可視化と標準化、ペーパーレス化によるコスト削減、申請・承認のスピード向上、内部統制とコンプライアンスの強化、テレワーク環境への対応の5つです。
メリット1. 業務の可視化と標準化を実現できる
ワークフローシステムを導入すると、業務の流れをシステム上で一元管理できるようになります。申請や承認のステータスをリアルタイムで把握できるため、業務のどの段階で停滞しているのかをすぐに特定できます。
業務プロセスが統一されることで、担当者ごとの対応のばらつきを防ぎ、標準化が進みます。紙での稟議では「入力規則を無視した申請による頻繁な差し戻し」といった不備がたびたび生じますが、システム上で入力フォーマットを型化すれば、不備のある申請を防ぎ、ミスの発生を抑えられます。
メリット2. ペーパーレス化でコストを削減できる
紙の書類を使った申請・承認業務では、印刷費や保管費が発生します。ワークフローシステムを導入すると、これらの費用を削減できるだけでなく、書類の検索や管理が容易になります。
情報の整理や共有もスムーズになります。ペーパーレス化は、コスト削減だけでなく環境への配慮にもつながります。
メリット3. 申請・承認のスピードが向上する
従来の紙やメールを用いた申請・承認業務では、担当者の不在や書類の確認の遅れで業務が滞ることがありました。ワークフローシステムでは申請や承認をシステム上でリアルタイムに処理できるため、こうした停滞を防げます。
スピードが上がる理由は、承認側と申請側の両方にあります。
- 承認側:スマートフォンやタブレットからも承認できるため、外出先やリモートワーク中でも迅速に対応できます。チャットツールとの標準連携により、チャットツール上で通知を受けて承認できる製品もあります
- 申請側:申請フォームの入力必須項目の制御や自動計算機能により、記入漏れや計算ミスによる差し戻しが減ります
メリット4. 内部統制とコンプライアンスを強化できる
ワークフローシステムは、すべての申請・承認履歴をデータとして記録します。「誰が、いつ、何を申請し、誰が承認したか」という証跡が残るため、不正な申請や承認を防ぐとともに、監査対応の負担を軽減できます。
承認ルートをシステムで固定できる点も、内部統制の強化につながります。「権限のない者が承認する」「規定のルートを飛ばして決裁される」といった不正やミスを、仕組みの側で防げるためです。法令遵守が求められる業界や、上場企業、将来的にIPOを目指す企業では、承認プロセスの透明性を確保することが欠かせません。
メリット5. テレワーク環境に対応できる
テレワークの普及により、紙ベースの申請・承認業務が課題となるケースが増えています。ワークフローシステムを導入すれば、インターネット環境があればどこからでも申請・承認ができ、ハンコを押すためだけに出社する必要がなくなります。
ワークフローシステムの活用は、業務の効率化やコスト削減にとどまらず、企業全体の生産性向上にも寄与します。
ワークフローシステムの主な4つの機能

ワークフローシステムの主な機能は、申請・承認・決裁の電子化、進捗状況のリアルタイムでの可視化、外部システムとの連携、アクセス権限の管理の4つです。システムによって搭載される機能は異なるため、導入前に自社の業務フローに適した機能を把握することが重要です。
機能 | できること | 効果 |
|---|---|---|
申請・承認・決裁の電子化 | 申請から決裁までをシステム上で完結させる | 進捗が明確になり、承認の遅れや申請ミスを防ぐ |
進捗状況のリアルタイムでの可視化 | 申請や承認の進行状況をその場で把握する | 遅延が発生しているポイントを特定できる |
外部システムとの連携 | 文書管理、電子契約、CRM(顧客管理)、ERP(基幹業務)などとつなぐ | 申請業務を一元管理し、転記をなくす |
アクセス権限の管理 | 部署や役職ごとに閲覧・編集の権限を設定する | 機密情報の不適切な共有を防ぐ |
機能1. 申請・承認・決裁の電子化
ワークフローシステムの基本機能の一つは、申請から承認、決裁までのプロセスを電子化することです。紙の書類を使用する場合と比べ、申請の進捗状況が明確になり、承認の遅れや申請ミスを防げます。過去の申請履歴をシステム上で簡単に確認できるため、業務の透明性が向上し、管理の効率も上がります。
機能2. 進捗状況をリアルタイムで可視化
申請や承認の進行状況をリアルタイムで把握できるため、管理者は遅延が発生しているポイントを特定し、対応できます。大企業や複数の部署が関与するプロジェクトでは、進行状況を即座に確認できることが全体の生産性向上につながります。
機能3. 外部システムとの連携
ワークフローシステムは、他の業務システムとも連携できます。文書管理システムや電子契約システムと連携させれば、申請業務をよりスムーズに処理できます。CRM(顧客管理システム)やERP(基幹業務システム)と統合できるシステムを選べば、業務を一元管理でき、企業全体のデジタル化を加速できます。
機能4. アクセス権限の管理
申請や承認のプロセスには機密情報が含まれることが多いため、アクセス権限の管理機能が欠かせません。ワークフローシステムでは、部署や役職ごとに閲覧・編集の権限を細かく設定できるため、不適切な情報共有を防げます。金融機関や医療機関など、厳格なセキュリティ管理が求められる業界では、アクセス権限の管理機能の有無が選定のポイントになります。
ワークフローシステムの5つの種類
ワークフローシステムには、クラウド型、オンプレミス型、業務特化型、汎用型、API・Webhook対応型の5つの種類があります。自社の業務フローや必要な機能に応じて、最適なシステムを選定することが重要です。
種類 | 適したケース | 特徴 | 注意点 |
|---|---|---|---|
クラウド型 | 手軽に導入したい | インターネット環境さえあればどこからでも利用でき、導入のハードルが低く、初期コストも抑えられる。ベンダーが運用するため、常に最新の機能を利用できる | カスタマイズの自由度はオンプレミス型に劣る場合がある |
オンプレミス型 | 高度なカスタマイズを求める | 高いセキュリティ性と柔軟なカスタマイズが可能 | 導入コストが高く、システム管理やメンテナンスの負担が発生する。社外からのアクセスにはVPNなどの設定が必要になる |
業務特化型 | 特定業務を効率化したい | 目的に応じた機能が最適化されており、短期間でスムーズに運用を開始できる | 汎用的なワークフロー機能は弱かったり、他の業務プロセスと統合しにくい場合がある |
汎用型 | 複数の業務を一元管理したい | 申請・承認フローを自由にカスタマイズできるものが多く、多様な部門の業務を統合しやすい | - |
API・Webhook対応型 | 他システムと連携したい | CRMやERPと統合すれば、申請・承認業務の効率化が可能 | - |
手軽に導入するならクラウド型ワークフローシステム
クラウド型ワークフローシステムは、インターネット環境さえあればどこからでも利用でき、テレワークの推進にも適しています。導入のハードルが低く、初期コストも抑えられます。ベンダーがシステムの管理・運用を行うため、自社でサーバーを維持する必要がなく、メンテナンスの負担も軽減されます。常に最新の機能を利用できる点も特徴です。
高度なカスタマイズを求めるならオンプレミス型ワークフローシステム
自社のサーバーにシステムを構築するオンプレミス型は、高いセキュリティ性と柔軟なカスタマイズが可能な点が魅力です。独自の業務フローに合わせた設定ができ、社内システムとの統合も容易に行えます。
ただし、導入コストが高く、システム管理やメンテナンスの負担が発生するため、IT部門のサポート体制が求められます。社外からアクセスするにはVPNなどの設定も必要です。厳格な情報管理が必要な金融機関や医療機関では、オンプレミス型の導入が推奨されるケースが多いです。
特定業務を効率化するなら業務特化型ワークフローシステム
経費精算や勤怠管理、契約書の承認など、特定の業務に特化したワークフローシステムも存在します。業務特化型のシステムは、目的に応じた機能が最適化されているため、短期間でスムーズに運用を開始できる点が強みです。
ただし、特定の業務向けに設計されているため、汎用的なワークフロー機能は弱かったり、他の業務プロセスと統合しにくい場合があります。導入時には自社の業務全体との適合性を慎重に検討することが重要です。
複数の業務を一元管理するなら汎用型ワークフローシステム
さまざまな業務プロセスを一元管理できる汎用型ワークフローシステムは、社内全体の業務最適化に適しています。申請・承認フローを自由にカスタマイズできるものが多く、多様な部門の業務を統合しやすい点が強みです。大企業や業務フローが複雑な組織では、汎用型を導入することで、管理の効率化や業務プロセスの標準化が期待できます。
他システムと連携するならAPI・Webhook対応のワークフローシステム
既存の業務システムと連携するなら、API・Webhook対応のワークフローシステムが適しています。CRMやERPと統合すれば、申請・承認業務を効率化できます。社内に複数のシステムが導入されている中堅・大手企業で、システム間の自動化やデータの一元管理を重視する場合に向いています。
失敗しないワークフローシステムの選び方:4つのポイント
ワークフローシステムを選ぶときのポイントは、直感的で使いやすいか、組織変更や人事異動に追従できるか、外部ツールと連携できるか、設定変更を安全に行えるかの4つです。機能が多ければよいというわけではなく、導入後に「使いにくい」「現場に定着しない」「メンテナンスが追いつかない」となるシステムを避けることが目的です。
ポイント | 確かめること | 確かめないと起きること |
|---|---|---|
1. 直感的で使いやすいか | マニュアルなしで申請・承認できるか。スマートフォンで操作しやすいか | 現場に定着せず、形骸化する |
2. 組織変更や人事異動に追従できるか | 組織変更日を予約して事前に設定できるか。人事マスタと連携できるか。承認ルートの変更が簡単か | 異動のたびに管理者の作業が増え、変更が追いつかなくなる |
3. 外部ツールと連携できるか | チャットツールから直接承認できるか。会計・人事・電子契約とAPI連携できるか | 承認後のデータを手入力で転記する作業が残る |
4. 設定変更を安全に行えるか | 組織図や経路、フォームの設定をバックアップし、過去の状態に戻せるか | 誤操作で承認ルートを壊したときに復旧できない |
選び方1. 直感的で使いやすいか
どれほど高機能でも、マニュアルを読み込まなければ使えないシステムは現場に定着しません。「どこに入力すればよいか直感的に分かる」「スマートフォンでも操作しやすい」といった使いやすさは、ITリテラシーにばらつきがある全社導入では特に重要です。画面の見やすさ、ボタンの配置、エラーメッセージの分かりやすさを、実際の利用場面を想定したトライアルで確かめましょう。
選び方2. 組織変更や人事異動に追従できるか
人事異動や組織改編は、システム導入後も繰り返し発生します。そのたびに承認ルートや組織図のメンテナンスが必要になるため、変更作業の手間がそのまま運用コストになります。組織変更日を予約して事前に設定できる機能や、人事マスタとの連携機能があるか、承認ルートの変更を管理者だけで完結できるかを確認しましょう。
選び方3. 外部ツールと連携できるか
SlackやMicrosoft Teamsなどのチャットツールに通知が届き、そこから直接承認できる機能があれば、承認のスピードが上がります。会計システムや人事システム、電子契約サービスとAPI連携できるかどうかも、バックオフィス全体の効率化を考えるうえで重要な視点です。CSV連携だけでなく、API連携の柔軟性や、主要なクラウドサービスとの連携オプションの有無を確認しましょう。
選び方4. 設定変更を安全に行えるか
組織改編や人事異動、社内ルールの変更に伴い、承認ルートやフォームの改修作業は必ず発生します。人が操作する以上、設定ミスを完全になくすことはできません。管理者が誤って重要な承認ルートを削除したり、設定を壊したりした場合に備え、組織図や経路設定、フォーム定義などの設定情報をバックアップし、過去の状態に戻せる機能があるかを確認してください。
ワークフローシステム導入の流れ(10ステップ)

ワークフローシステムの導入は、導入目的の明確化から運用状況の分析・改善までの10ステップで進めます。まず現状の業務フローを見直して課題を明確にし、そのうえで自社に適したシステムを選定します。
- 導入目的を明確にする
- 現状の業務フローを分析する
- システム要件を定義する
- ワークフローシステムを選定する
- 無料トライアルやデモを実施する
- システムを導入・設定する
- ユーザーへの研修を実施する
- パイロット運用で課題を洗い出す
- 正式運用を開始する
- 運用状況を分析し改善する
ステップ1. 導入目的を明確にする
まず、業務の効率化、コスト削減、内部統制の強化など、解決すべき課題を整理します。目的が曖昧なまま導入を進めると、システムの選定や運用方針が定まらず、期待した効果を得られない可能性があります。
ステップ2. 現状の業務フローを分析する
現在の業務フローを分析し、最適化が必要なプロセスを特定します。紙やメールを用いた承認業務に時間がかかっているのか、申請・承認のルールが複雑化しているのか、具体的な課題を洗い出します。関係者の意見も集め、業務フローの問題点を明確にします。
ステップ3. システム要件を定義する
導入目的と業務フローの分析を踏まえ、必要なシステム要件を定義します。クラウド型とオンプレミス型のどちらを選ぶのか、必要な機能は何か、どのシステムと連携させるのかなど、具体的な要件を整理します。要件を定義しておくと、候補を絞りやすくなり、導入後の運用もスムーズに進められます。
ステップ4. ワークフローシステムを選定する
市場にある複数のワークフローシステムを比較し、自社の要件に適したものを選定します。操作性、機能、コスト、セキュリティ、カスタマイズ性などの観点から検討します。機能一覧の「◯」「×」だけで比べると、導入後の使い心地やメンテナンスの手間を見落とします。前述の選び方4つのポイントを基準に候補を絞り、次のステップのトライアルで確かめます。
ステップ5. 無料トライアルやデモを実施する
選定したワークフローシステムが業務に適しているかを確認するため、無料トライアルやデモを実施します。実際に操作し、使い勝手や機能に不足がないかをチェックします。現場の意見を取り入れながら評価を行い、最終決定につなげます。
ステップ6. システムを導入・設定する
導入するワークフローシステムが決まったら、設定作業を進めます。業務フローの登録、承認ルールの設定、外部システムとの連携など、運用に必要な環境を整えます。実際の業務に即したカスタマイズや、システムに合わせた運用見直しが必要になる場合もあるため、事前の準備を十分に行います。
ステップ7. ユーザーへの研修を実施する
新しいシステムを定着させるには、従業員向けの研修が欠かせません。基本的な操作方法や申請・承認の流れを説明しておけば、従業員のITリテラシーに関係なく導入を進められます。
ステップ8. パイロット運用で課題を洗い出す
正式な運用に入る前に、特定の部署や業務でパイロット運用を実施する、いわゆるスモールスタート方式を取るケースもあります。実際の業務で発生する可能性のある問題を確認し、必要な調整を行います。パイロット運用の段階で改善を重ねることで、本格導入後のトラブルを未然に防げます。
ステップ9. 正式運用を開始する
パイロット運用の結果を踏まえ、必要な調整を行ったうえで正式運用を開始します。業務フローが円滑に機能しているかを確認しながら、システムの定着を促します。
ステップ10. 運用状況を分析し改善する
ワークフローシステムは、一度導入すれば完了するものではありません。導入後も定期的に運用状況を分析し、改善を続けます。申請・承認のスピードが向上したか、業務負担が軽減されたかを評価するために、KPI(重要業績評価指標)を設定し、効果を測定します。
ワークフローシステム導入の4つの注意点
ワークフローシステム導入の注意点は、現行業務フローの見直し、従業員のITリテラシー、組織変更に伴うメンテナンス負担、導入コストとランニングコストの4つです。導入前の準備や運用方法によっては、現場の負担が増えたり、システムが定着しなかったりする可能性があります。
注意点1. 現行業務フローを見直さずに電子化すると、無駄な承認まで引き継ぐ
紙の承認ルートをそのままシステムに移すと、形骸化した承認の段や、現在の組織では不要になった回覧まで、そのまま電子化されてしまいます。ワークフローシステムの導入は、承認の段数や承認者の役割を見直す機会でもあります。現在の業務フローや承認ルートが本当に適切なのかを、場合によってはドラスティックに見直したうえで、システムに登録する経路を設計することが重要です。
注意点2. 従業員のITリテラシーを考慮しないと定着しない
ITに不慣れな社員が多い場合、研修を十分に行わなければシステムが定着せず、業務の混乱を招く可能性があります。導入時には、ユーザーマニュアルの作成や研修を実施し、誰でも簡単に利用できる環境を整えます。
注意点3. 組織変更や人事異動のたびにメンテナンスが発生する
組織変更や人事異動のたびに、承認ルートや組織図のメンテナンスが必要になります。設定が複雑すぎるシステムを導入すると、管理部門の作業負荷が肥大化し、「変更作業が追いつかない」という事態に陥ることがあります。導入前に、組織変更の予約機能や人事マスタとの連携、設定のバックアップと復元の有無を確認し、異動の多い時期でも運用が回る体制を整えておきます。
注意点4. 導入コストとランニングコストを見誤ると負担が増える
ワークフローシステムにはクラウド型とオンプレミス型があり、それぞれ導入費用や運用コストが異なります。
種類 | 初期費用 | 長期的なコスト |
|---|---|---|
クラウド型 | 初期費用を抑えられる | 長期的な運用ではランニングコストが増える場合がある |
オンプレミス型 | 初期費用が高い | 自社で運用することで長期的なコストを抑えられるケースもある |
オンプレミス型の場合は、サーバー維持費やソフトウェアの定期的な更新作業も含めると、人件費・運用委託費が想像以上に積み重なる可能性があります。導入前に総コストを試算し、自社に適したプランを選択します。
ワークフローシステムを活用して業務効率を向上させよう
ワークフローシステムは、申請・承認プロセスを電子化し、業務の可視化や自動化を実現することで、企業の業務効率を向上させる有効なツールです。導入によって、ペーパーレス化によるコスト削減、申請・承認の迅速化、内部統制の強化、テレワーク環境への対応など、多くのメリットが得られます。
導入を成功させるには、現行の業務フローの見直しや従業員向けの研修、コストの適切な管理が欠かせません。システム選定の段階では、使いやすさ、組織変更への追従、外部連携、設定変更の安全性の4つを基準に、自社の業務に適したものを選びます。導入後も運用の改善を続けることで、ワークフローシステムの効果を引き出せます。
kickflow(キックフロー)は、中堅・大企業向けに開発された、「シンプルなのに、多機能。」な、クラウド型のワークフローシステムです。
従来のワークフロー製品は、学習コストが高くて使いにくいオンプレミス型、もしくは、機能が物足りないクラウド型、の2択でしたが、kickflowは、直感的に使えるモダンなUI・UX、ノーコードでも複雑な組織図や承認経路に対応、豊富なAPI・Webhookによる業務自動化といった、良いとこどりの特徴があります。チャットツール(Slack、Microsoft Teams、LINE WORKS、Google Chat、Chatwork等)と連携が可能で、承認がよりスピーディーに。
本記事で挙げた選び方の4つのポイントに対応する機能として、組織変更の内容を事前に設定して指定日に反映する組織図の予約機能、設定のバージョン管理・バックアップと復元、テスト環境で検証した設定を本番環境へ同期する機能を備えています。
また、AIやオートメーションといった次世代の機能も取り入れており、ワークフロー担当者の運用・メンテナンスの課題を劇的に解決します。ワークフローシステムを検討の際にはぜひ候補の1つとしてご参考ください。
よくある質問
すでにグループウェアのワークフロー機能を使っているなら、乗り換えたほうがよいですか
乗り換えるかどうかは、今の運用で金額や部門による分岐、他システムとの連携、細かな権限設定が求められているかで決まります。どれも必要としていない段階なら、急いで替える理由は薄くなります。
承認ルートの見直しは、製品を選んだあとの設定作業でまとめて行えばよいですか
いいえ、見直しは製品を選ぶ前に始めておきます。導入の手順は、今の業務フローを分析して直すべき点をはっきりさせ、それを要件にまとめてから製品を比べる順番になっているためです。設定の段階で運用を手直しすることもありますが、形だけ残った段や要らなくなった回覧を外す判断まで先送りすると、それらを抱えたまま経路を登録しかねません。
無料トライアルでは、何を試せばよいですか
機能の有無より、現場の申請者と承認者が説明なしで操作できるかを、実際の申請に近い場面で確かめることが中心になります。管理者側では、組織変更を見越した事前の設定や、設定を誤ったときに前の状態へ戻せるかも試しておくと、導入後の負担を見積もりやすくなります。